冬虫夏草で認知症を予防するなら養蚕イノベーションのバイオコクーン研究所
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バイオコクーン研究所の実績

 わが国の大学発ベンチャーの誕生から企業としての継続・発展までは非常に困難といわれています。その理由は、1)大学自身の研究力の低下にあり、企業化のための科学技術の基盤構築ができない状態です。2)国全体として、科学研究費の予算の伸び率がどんどん低下しています。この困難な状況を打破するために、大学時代の長い研究期間(40年間)に、できるだけ独創的な研究成果を上げることを第一目標としていました。また、その成果に基づいて大型研究費の獲得を目指し、2つの大型プロジェクトに採択されました(農水省の生物系産業創出のための異分野融合研究支援事業と科学研究費基盤)。
 しかし、大学時代の大型研究費確保だけでは、経営に耐えられるベンチャー企業化は難しいものと考えられます。そして、多くの大学発ベンチャー企業は継続するために相当のエネルギーを費やし、そして継続を断念していくパターンになっています。岩手大学発ベンチャーのバイオコクーン研究所が、この日本の典型的な負のスパイラルを避けて今日に至っている理由は、以下のような強みによると考えています。

1.未来志向型の親会社との出会い

 京都に本社のある第一工業製薬株式会社は1909年の創業で、カイコの繭の解舒剤からスタートした化学工業分野の企業です。新しい事業として、ケミカルライフサイエンス分野の開拓を目指していました。当社としては、カイコ冬虫夏草の研究開発で重要な発見がありながら、単独では経営上難しい局面で第一工業製薬株式会社と出会う機会を得て、2018年(平成30年)7月に第一工業製薬株式会社のグループ会社となりました。当社と第一工業製薬株式会社のカイコを取り巻く歴史と特許を含む技術力の関連性は、わが国の大学発ベンチャーの生き残りや企業の新分野開拓のための1つのモデルになると考えてます。

2.バイオコクーン研究所の実績

 当社が大学時代に蓄積してきた実績として、論文公表以外に特許技術があります。わが国の大学の国際的な評価の低下には、公表論文と特許の両輪によるレベルアップが不可欠と考えられますが、企業化した現在でもこの両輪による進化は、企業成功のために鍵になると考えます。

3.バイオコクーン研究所の研究ネットワーク

 当社のもう1つの特徴に、全国の大学とのネットワーク作りがあり、それを「大学Value Chain」と称しています。これまでのように1つの研究室、1つの大学、1つの企業が単独で研究開発を進めるだけでは、世界の科学技術でブレークスルーのような発見もありませんし、国際競争で生き残れませんし、その上社会に貢献できる製品開発も限界になります。しかし、当社のように地元の大学(岩手大学、岩手医科大学)だけではなく、東京医科歯科大学、大阪市立大学、九州大学、静岡県立大学などのように、研究連携することで、研究の独創性、効率性、そして一層の成果が期待されます。当社 ⇔ 大学ネットワークで1つの日本の科学技術の在り方を探究しています。